コラム Column

“推し活”というトレンド市場を産んだ”個人の幸福も伴う現象”について

推し活における個人の幸福度に関してはこちらの資料にまとまっています。

推し活に関して、市場規模がどれくらいで、どのようなビジネスに発展する可能性があるのかを考え前に、単純に推し活とは近年の「個人の幸福度への影響」が囁かれています。

「推し」がいる人たちは、そうでない人たちに比べて現在の幸福度が高いという調査結果があります。
推し活をしている人々の多くは、「推し」がいることで日々を前向きに、幸せに過ごすことができていると感じているというアンケート結果があり、

推し活は、その存在自体が活力となる存在となっています。

「推し」が活躍する姿を見ると嬉しい気持ちになり
「推し」のおかげで前向きな気持ちになれる
「推し」は生きがいを与えてくれる
「推し」がいることで日々頑張れる

と感じています。
推し活が売れる市場となった背景にはこのようなことがあるようです。

OSHINOMICS Report – 博報堂

辛いときや大変な時でも「推し」の存在が支えになり
「推し」のことを考えると嫌なことを忘れられる

という効果も挙げられています。
推し活をすることで良かったこととしては、
個人レベルで、以下のような具体的な経験が挙げられています。

外出する機会が増えた

生きる理由ができた

他国や社会問題にも目が向き世界が広がった

自分がかわいくいられる

友だちが増えた

日本各地を旅行できた

よく笑うようになった

嫌なことを忘れられる

推し活は、単に好きな対象を受け身的に愛好するだけでなく、
その対象に対して自分から働きかける能動的な行為のようです。
推し活グッズを売る、売れる、買うという経済的な活動よりも生活の一部の活動という表現が正しいかもしれません。

心理学的な観点からは、これはプロジェクションという心の働きであり、
自分の内部のイメージを外の世界に重ね合わせ、世界を捉え直して活動していく働きであると説明されています。
なぜ人々は「推し活」という心の拠り所を必要とするのかについて、

いくつかの仮説が挙げられています。

現実の生活圏とは別の非日常にいる「推し」に触れることで、日常から逃避し、息抜きができるから。
「推し」を通じて自分の好きなものを表明することで、間接的な自己開示ができ、他者とゆるやかに、しかし近く繋がることができるから。
「推し」に自分の資源（時間、労力、お金など）を分け与えることに幸せを感じるという、人間が持つ利他の幸福感があるから。

「推し」に救われたという経験は、「推し」が直接何かをしてくれたのではなく、「推し」によって自分が何かに気づいたり、何かできるようになったり、世界の捉え方が変わったりしたことを指すと考えられています。
何かを「推し」として熱愛するファンは、受動的に愛好するファンとは異なり、推しによって自分から能動的なアクションを起こすようになります 。このように、「推し」を推すことは、自分自身の生きる力を推進することだと言えます。
推し活は、自分をいきいきさせるためのものであり、
自分がいきいきするためのウェルビーイングな自己投資であるとも捉えられています。
もし、売れる推し活グッズを分析することはその推しの対象を応援することでいきいきしてもらうものを作るというところから考える必要が出てくることがわかります。

[推し活のグッズを売る]社会経済への影響

推し活は、経済効果の大きさが様々なところで語られており、
特に日本の「推し活」には世界も注目し、「OSHI」という英語スラングも生まれています。

日本のオタク市場は、2023年度の予測で約8,000億円超の市場規模に達すると見られています1。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により一時的に縮小したものの、再び拡大基調にあります。

推し活をしている人たちにとって、「推し活」はもはやトレンドを超え、生活の一部になっており
可処分時間の全体平均38.8%を推し活に費やしています 。
経済的にも「推し活」が一定の割合を占めており、可処分所得の全体平均37.4%を推し活に使っています 。特に若い人ほど可処分時間・所得の多くを推し活に割いており、10代女性では可処分所得の半分以上を推し活に使っていて、実際によく推し活グッズが売れています。
これは、推し活が個人消費において無視できない存在となっていることを示しています。

推し活は「消費」から「参加・表現」へと変化したと言われています 。

ファンが二次創作や「歌ってみた・踊ってみた」のような活動を通じてコンテンツの価値を上げたり、推しとのインタラクティブな関係性を深めたりしています。
SNSの普及と女性の参加は、推し活の多様性を生み出し、女性が「推し活」の楽しみ方を開発しSNSで表現している側面が大きいと考えられています。

企業が盛り上がりを作るためには、最初の種となる「共謀者（≒ファン）」が必要であり、コンテンツの「深さ」を作ることが重要です 。
デジタル時代においては、Twitter（現X）のトレンド世界一のように、人が集まっていることが分かりやすい「仮想一等地」をデジタル上で作ることも、ヒットの可視化やその後の設計・成長につながります 。VTuberやゲーム実況（e-sports）のように、アーカイブの深さとリアルタイムのライブ性の両方を持つコンテンツは、今後も伸びていくと予測されています。

推し活の消費目的は、最も高いのが「応援」、次いで「感謝」であり、「推し」への消費を介した自己投資が推し活消費の源泉であると考えられています。これは、推しへの愛情表現や成長への投資だけでなく、自分がより良いコンテンツを楽しむため 、そして結果的に自分が幸せになるため … という、従来の「消費」とは異なる新しい行動原理を示唆しています。

推し活レポート、面白い！資料見やすいしクラスタのイラストかわいいな〜https://t.co/XYLv5G4hCd https://t.co/8kxt4B5rCD

— YOPPY WORLD 🦊 (@yoppy445_26) March 8, 2024

推し活エコノミーの中では、ファンによる二次創作や普及活動といった、プロではない「好き」の気持ちから生まれた創作活動が目立ちます。
これは江戸時代から続く日本の庶民文化に根付いた歴史的な伝統であり、営利目的ではない市井の人々の創作活動は、資本主義とは別の論理で成り立ち、社会をその創造性で刺激する可能性があります 。

推し活は「支えたい」「支援したい」「感謝したい」といった推し活が生み出すエコノミーの非均衡性は、資本主義の新しいかたちの模索とも言えます 。

博報堂とSIGNINGによる「OSHINOMICS Report」では、人々が「推す」現象の裏にある心理や行動を「オシノミクス」と名付け、組織運営やマーケティングなど様々な領域へ拡張し、これからの経営とビジネスのヒントを見出そうとしています。これは、推し活のエネルギーをビジネスや社会の活性化に繋げようとする試みです。例えば、「オシノミクス・デザイン」として、以下のようなアクションが提案されています。

余白を残すことでブランドと顧客の関係性を強化するブランディング
多様な距離感を自由に設計できることでロイヤリティを強化するインナーブランディング
思わず企業に感謝したくなるようなコラボレーション
「何推し」の自己開示を促進し、職場の人間関係を円滑にする
ウェルビーイングな「自己投資」としての推し活を促進する福利厚生
N次創作する余白を残したコンテンツ設計
推されにいくのではなく、推したくなる存在になるようなブランディング
ファンの感謝を可視化することで高みへの憧れを生み出すファンコミュニティ活動

これらの提案は、推し活で培われる能動的なエネルギーや他者との繋がりを、組織や社会全体の活性化に活用できる可能性を示唆しています
コミュニケーションや経済活動そのものの総量が増加し、社会全体が活性化していくかもしれません。

一方で、「推し活」が広く一般に浸透した結果、「搾取する・される」の構造が当たり前になってきているという懸念も指摘されています。
コンテンツ提供者側（アーティストなど）には、ファンの人生を自律させることを目指し、意図的に依存させ消費を煽る行きすぎた現状に対して、誠実な思想と責任が求められています。
健全なファンダム形成には、アーティストとしての「理念」を失うことなく活動し、ファンに対してメッセージを示すことが重要であるとされています。

結論として、推し活は個人の幸福度を向上させ、生きる活力や他者との繋がりをもたらすだけでなく、8,000億円を超える市場規模を持ち、従来の消費行動や経済メカニズムを変容させながら、多様な経済活動や創造性を生み出すなど、社会経済に大きな影響を与えていると言えます。

矢野経済研究所

市場規模の拡大

近年、 推し活 と呼ばれる ファン活動 がますます盛り上がりを見せています。好きなアイドルやキャラクターを熱心に応援し、関連グッズやイベント、ライブ配信などへの積極的な参加を通じて、ファン自身が楽しむだけでなく、経済全体にも大きな影響を与えています。その熱量は年々高まりを見せており、市場規模はこの6年間でなんと約4.86倍もの成長を遂げました。その結果、現在では実に約8,000億円という驚異的な規模にまで拡大しています（oshimedia.jp）。SNSの普及によってファン同士の交流が容易になったこともあり、推しへの愛情表現は日常的なものとなり、推し活グッズの購入やイベント参加が新たな消費行動として定着しました。今後も、この「推し活」市場のさらなる拡大が期待されています。

データの比較

提供された情報と検索結果を照合すると、推し活市場の規模に関する記載にはかなりの差異があることがわかります。最新の調査結果では、2025年時点で約3兆5千億円規模に達するという報告が複数のソースで示されていますが13、一方よく引用される「8,000億円規模」という数値も裏付けとなるデータは乏しいという実態もあります。

つまり、推し活に関する市場規模のデータは、出典元や調査方法によって数値が大きく異なる傾向があります。特に「推し活」という新しい文化は、明確な定義が曖昧であり、調査対象の範囲や評価基準の違いによって数値が大きく揺れ動きます。そのため、実際に市場規模を正確に測定しようとすると、統計的な困難さや定義の差異によるばらつきが生じるのが現状です。

しかし、このような数値の違いや曖昧さにもかかわらず、「推し活」というファン文化が非常に大きな経済的影響力を持ち、急速に拡大しているということ自体は間違いありません。グッズ販売、イベント開催、ライブ配信などを通じて新たな消費行動を生み出していることは多くの専門家や業界関係者も認めるところであり、経済的な注目度は非常に高まっています。市場規模の正確な数値に関する議論は継続していますが、いずれにせよ、推し活市場が今後さらに巨大化し、重要なマーケットとして定着していくことに疑いの余地はありません。

1. 市場規模の拡大ペース

主要16分野の合計で2024年に1兆円以上6、オタク市場全体では2022年時点で8,000億円近く8との報告があります。ただし2025年最新データでは3兆5千億円13という飛躍的な成長が確認され、従来の市場定義を超えた拡大が起きている可能性があります。

2. 定義範囲の違い

ユーザーが引用する数値は「特定のカテゴリ」に限定された可能性があります。例えば：

• アニメ＆アイドル分野：2023年時点5,350億円6
• オタク市場全体：2022年8,000億円8

これに対し、2025年の「推し活市場」はアイドル・アニメ・スポーツ・VTuberなど多様な領域を包括した定義で3兆5千億円と算定されています13。

3. 成長要因

• デジタルコンテンツ課金の一般化（オンラインライブ/限定配信）16
• 30代女性層の参加増加12
• SNSを介したUGC拡散による新規ファン獲得45

特に注目すべきは、従来の「オタク市場」概念を超え、ライフスタイルとしての推し活が定着した点です12。ファン活動が「自己投資」として認識され、消費行動が多様化（応援広告出稿・デジタル特典付与など）していることが、市場規模の再定義を促しています15。

⁂

脚注

1. 【2025年最新】推し活市場の今がわかる！市場規模
2. Video Research Digest Plus
3. PR TIMES プレスリリース
4. Badge-man オシトレンド
5. 【2025年最新】推し活マーケティングの事例と戦略
6. A8.net ECコラム
7. NIKKEI xTREND
8. Cross Marketing コラム

売れる　K-POPの推し活グッズで調べてもさまざまなサイトが見つかります。

売れるVtubar関係で推し活グッズを調べてもさまざまなウェブサイトが見つかります。買取も豊富。

2.5次元アイドルや俳優の推し活グッズもさまざまなサイトで言及されています

アイドルの推し活は、推し活に冷めた人の買取やビジネスまでたくさんの情報があります

推し活のトレンドワードも抑えよう

推し活におけるトレンドワードは多岐にわたり、SNSやリアルイベントを通じて日々進化しています。以下に、注目されているトレンドワードをいくつかご紹介します。

📸 推し活トレンドワード「カフェ推し活（チェキ／トレカ飯）」

推しのぬいぐるみやトレーディングカード（トレカ）、アクリルスタンドなどをカフェや飲食店に持参し、食事と一緒に写真を撮影する活動です。「チェキ飯」「トレカ飯」とも呼ばれ、SNSでの共有が盛んです。 アニメグッズ・推し活情報の総合サイト｜eeo（イーオ）

---

🧵 推し活のトレンドワード「キルティング・毛糸硬質ケースデコ　」

トレカを収納する硬質ケースを、毛糸やキルティング素材でデコレーションする手法です。TikTokやInstagramなどのSNSで、自作のデコケースを披露する投稿が増加しています。 アニメグッズ・推し活情報の総合サイト｜eeo（イーオ）

---

💐 推し活で最近生まれたトレンドワード “推し概念（推し花束・推し香水など）”

推しをイメージした花束や香水、アクセサリーなどを制作・購入する活動です。「推し概念花束」や「推し概念香水」など、推しのイメージを具現化したアイテムが人気を集めています。 アニメグッズ・推し活情報の総合サイト｜eeo（イーオ）

---

🎒推し活で昔からあるトレンドワード「 痛バッグ（痛バ）・痛包（トンバオ）」

推しのグッズ（缶バッジ、アクスタ、写真など）を大量に装飾したバッグのことを「痛バッグ」と呼びます。中国では「痛包（トンバオ）」として流行し、日本でも再注目されています。 アニメグッズ・推し活情報の総合サイト｜eeo（イーオ）+1楽天市場+1

---

🧸 ぬい活

推しのぬいぐるみを持ち歩き、カフェやイベントなどで一緒に写真を撮る活動です。ぬいぐるみ用の衣装やアクセサリーを手作りするファンも多く、SNSでの共有が盛んです。 アニメグッズ・推し活情報の総合サイト｜eeo（イーオ）

---

🧿 ゆらゆらアクリルチャーム

アクリルスタンドやチャームの進化系で、揺れるパーツが特徴のグッズです。推しのキャラクターやアイドルをモチーフにしたデザインが人気で、バッグや鍵などに取り付けて楽しむファンが増えています。 アニメグッズ・推し活情報の総合サイト｜eeo（イーオ）

推し活のイベント販促物で売れるものはなんなのか？

トレンドワードとグッズの相関図

トレンドワード	関連グッズ
推し色	ペンライト、Tシャツ、ネイルシール
尊い	アクスタ、キーホルダー、ぬいぐるみ
硬質ケースデコ	トレカケース、ステッカー、ビーズ
#推し不在の現場	うちわカバー、フォトスタンド、推し枠アクリル
沼る	ランダムグッズ、シークレット缶バッジ
布教用	ミニサイズグッズ、チラシ、無料配布アイテム

推し活をテーマに販促物を作りたい会社様はケイオーまで！

株式会社ケイオーは、時代の変化とともに進化するファンカルチャー、いわゆる「推し活」の動向を継続的に分析し、その中で浮かび上がる消費者ニーズやトレンドを的確に捉えることで、魅力的かつ実用性の高いグッズの企画・制作を行っています。

私たちは、K-POP、VTuber、2.5次元舞台、アニメ・アイドルなど、ジャンルごとに異なるファン層の特徴や消費行動を深く掘り下げ、SNSやオンラインコミュニティでの言及データ、流行しているグッズの形式・素材・使われ方などを細かく収集・検証しています。こうしたマーケティング的視点に基づくリサーチと、現場のリアルな声に耳を傾ける姿勢を組み合わせることで、単なる製造会社の枠を超え、ファン心理に寄り添った「使いたくなる」「持ち歩きたくなる」グッズづくりを実現しています。

また、推し活グッズには「推しを応援する気持ちを形にする」「推しとつながっている感覚を得る」「自分らしい表現をしたい」といった明確な感情的価値が付随しているため、ケイオーではそうした価値を最大限引き出せるよう、デザイン性や限定性、パーソナライズの可能性にも注力しています。たとえばアクスタ（アクリルスタンド）、痛バッグ、ぬい関連アイテム、ペンライト収納グッズ、コラボ系ノベルティなどは、ファン層のライフスタイルやイベント参加形態に合わせて常に進化させています。

私たちは「流行をつくる」ことよりも、「今の熱狂を正確に形にする」ことを使命と考えています。推し活は今や単なる趣味を超え、自己表現であり、自己投資でもあります。だからこそ、ケイオーはその文脈を尊重し、ファン一人ひとりの「推しを応援したい」という気持ちに応えるグッズを、丁寧に、そしてスピーディーに届け続けています。