コラム Column

現地パートナー・代理店の活用

海外では言語や商習慣の壁を越えるために、現地の販社や代理店と提携するのが有効です。例えば中国や東南アジアでは現地イベント制作会社と組み、自社ペンライトをその会社のラインナップに加えてもらうことで販路を開拓できます。

北米では大手プロモーショングッズ流通網（PPAIやASI加盟企業など）にアプローチし、カタログに自社商品を掲載してもらうのも一策です。現地パートナーは顧客ネットワークや商流に精通しており、文化の違う顧客とも円滑に取引を進める支援となります。

越境EC・BtoBプラットフォーム

近年はインターネットを通じた直接受注も見逃せません。AlibabaやMade-in-ChinaといったグローバルBtoBサイトに出店し、海外企業からの問い合わせを受け付けることで新規顧客開拓が可能です。

日本製品に付加価値を感じる海外ファン層向けには、自社サイトの多言語対応や海外発送対応を強化し、直接オンライン発注→海外配送の仕組みを整備します。

実際、日本のアーティストグッズを海外ファンが日本EC経由で購入するケースは多々あり、この流れを法人向けグッズにも応用できます。またAmazon Businessや現地の業者向け通販サイトに商品登録し、小口の海外法人にも売りやすくする工夫も有効です。

商習慣の違いへの対応

支払い条件・契約慣習・品質基準など国ごとに異なる点への柔軟な対応が求められます。例えば前払い文化の国もあれば、信用取引が一般的な国もあります。

北米では契約書を重視し細かな仕様まで明記する傾向が強く、専門の契約書を用意する必要があります。中国では人脈や迅速な対応が重んじられ、WeChat等を使った密な連絡体制が欠かせません。

各国の商習慣をリサーチし、必要に応じて現地語での問い合わせ対応スタッフを配置する、契約フォーマットを現地法に合わせる、現地通貨建て価格を提示するなどの対策を講じます。

物流・法規制のケア

電子機器であるペンライトを海外輸出するには、各国の電気製品安全規制や通関手続にも注意が必要です。例えば欧州ではCEマーキングやRoHS指令への適合証明が求められ、北米ではFCC規則への準拠や製品責任保険の加入が求められる場合があります。

リチウム電池使用製品の国際輸送規制もクリアしなければなりません。これらを踏まえ、必要な認証取得（CE、FCCなど）を行い、安全データシートを準備するなど法規制対応を万全にしておくことで、海外法人顧客からの信頼を得られます。

物流面では納期を確保するため、海外倉庫の活用や現地生産の検討も視野に入れるとよいでしょう。需要が大きい地域ではあらかじめ在庫を置き即納体制を作ることで、競合に勝るサービスを提供できます。

文化・嗜好への対応

製品企画や提案時には各地域の文化的嗜好を理解することも大切です。例えば北米の企業イベントでは実用性を好む傾向があり、「ペン型ライト＋ボールペン」など多機能ノベルティが好まれるかもしれません。

一方、アジアのアイドルイベントではデザイン性が重視され、派手でユニークな形状がウケる傾向にあります。ターゲット市場のトレンドを調査し、現地で売れるデザイン・機能を提案できるようにすることが海外展開の成功要因となります。

K-POPにおける爆発的需要

K-POPアイドルの公式オリジナルペンライト（応援棒）はファンダム文化の象徴であり、グローバルに巨大市場となっています。各グループごとに 「これがペンライト!?」と思うほどユニークなデザイン（宝石風、キャンディー形、ロケット形など）を開発し、コレクターズアイテム化しています。

例えばBTSの「Army Bomb」、BLACKPINKのハンマー型ペンライトなどは世界中で売れ、大規模ツアーでは数万本が即完売するほどです。これら公式品は単価も高め（日本円で5,000～7,000円程度）ですが、それでも売れる背景にはライブ体験をより特別なものにしたいファン心理があります。

この現象は、日本企業にとっても 「デザイン性×ブランド」で高付加価値商品を展開できる余地があることを示唆します。加えて、K-POPの影響で他国のアーティストやイベントも独自ペンライトを導入する動きが出ており、グローバル需要は今後も増加が見込まれます。

アニメ・ゲームイベントでの大量活用

日本発のアニメソングライブや2.5次元舞台、ゲームイベントでもペンライト大量使用が一般化しています。例えば大型アニソンフェスでは観客が各作品のテーマカラーに次々と発色を変えて応援し、その光の波が演出の一部となっています。

「ラブライブ！」シリーズや「アイマス（アイドルマスター）」ライブでは、曲ごとに観客が色を切り替える高度な一体感が名物です。VTuberのホロライブやにじさんじのリアルコンサートも開催され、ファンが推しVTuberのイメージカラーのペンライトを振る姿が見られました。

2.5次元ミュージカルでは特定キャラごとの応援色を観客が身に付け、公演グッズとしてもペンライトは定番かつ売上の柱になっています。また、ゲーム・アニメイベント限定デザインのペンライト（キャラクター形状やロゴ入り）が登場し、来場記念品として人気です。

こうしたオタク市場の動向は 「ファンの熱量が高まるとグッズが売れる」 傾向を裏付けており、今後も新たなコンテンツ毎にオリジナルペンライト需要が創出されるでしょう。

無線連動・光演出の高度化

最近の大型ライブでは、観客が持つオリジナルペンライトを主催側で制御して光らせる演出がトレンドです。例えば某アイドルグループの東京ドーム公演では、入場時に配布または購入したペンライトを座席と連動登録し、コンサート中に曲や演出に合わせて自動で色が変化するシンクロナイズドライティングが行われました。

会場全体が巨大なイルミネーションとなる様は圧巻で、SNSでも話題になります。この技術は国内メーカーが開発を進めており、ルミカの無線制御ペンライトやキングブレードのIRコントロール対応モデルなど商品化が進行中です。

法人側から見ると、観客参加型の新しい演出価値として提案でき、他社との差別化になる領域です。海外の大規模イベント（例えばアメリカのスーパーボウルでのLEDリストバンド演出など）でも同様の潮流があり、今後ペンライトによる演出サービスを包括提供するビジネス（ハード＋演出ソフトの提供）が伸びる可能性があります。

環境配慮・サステナブル志向

使い捨て型のケミカルライトは廃棄物になるため、繰り返し使えるLEDペンライトへのシフトはサステナブルの観点からも追い風です。最近は製造段階でも環境に配慮する動きがあり、一部アーティストはグッズ素材にリサイクルプラスチックを採用し始めています。弊社も近年は検討中です。

オリジナルペンライトでも、再生プラスチック製ボディや長寿命バッテリー採用など、環境に優しい設計を訴求する余地があります。SDGsを意識する企業・自治体ほどサステナブルなノベルティを選ぶ傾向が強まっており、「環境に優しい応援グッズ」として提案できれば新たな需要喚起につながります。

推し活グッズ市場の盛り上がり

個人が自分の「推し」（推奨したいアイドルやキャラ）を応援するためにグッズを自作・購入する文化＝「推し活」が一大市場となっています。オリジナルペンライトはその中でも推し色を表現する必須アイテムであり、コロナ禍以降さらに存在感を増しました。

推し活ユーザーは公式グッズだけでなく、オリジナルデザインのペンライトやカスタムパーツ（デコレーションや専用ポーチ等）も積極的に購入しています。例えばペンライトに付けるチャームや、色変え操作を簡易化するシールなど関連商材も登場しています。

こうしたトレンドに合わせ、企業として個人ファン層向け少量販売やカスタマイズサービスを展開する余地もあります。BtoB主体のビジネスでも、ファンコミュニティが合同で発注するケースも視野に入れ、柔軟な対応が求められるでしょう。推し活で売れるグッズのトレンドや相関図はこちら